こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。
皆さんは、「歯周病」という病気をご存じですか?
以前は「歯槽膿漏」とも言われたりもしていましたが、
最近は「歯周病」という言葉も世の中にだいぶ浸透してきたように感じます。
では、歯周病はどういう「病気」なのでしょうか。
中々イメージがしにくい方もいらっしゃるかと思いますので、今回はこの「歯周病」についてお話しようと思います。
歯医者さんを受診して「歯周病ですよ」言われる確率は
30歳代~50歳代で約80%、
60歳代は約90%。
まだまだ歯周病なんて考えるのは先のことなんて思いがちな20歳代で実は急増傾向があり、
約70%の有病率と言われています。
歯周病とは、糖尿病や高血圧症、脂質異常症(高脂血症)などに代表される
「生活習慣病」
のうちの一つであり、
2001年には、
「世界中で最も蔓延している病気」としてギネス認定されてしまった、
地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人を探す方が難しいいとまで言われる「歯周病」は、
人類史上感染者数の一番多い「病気」なのです。
また、歯周病は歯周病原細菌に感染することによって発症する
「感染症」です。
代表的な歯周病原細菌には
P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
T.d.菌( Treponema denticola )
T.f.菌( Tannerella forsythensis )
P.i.菌( Prevotwlla intermedia )
A.a.菌( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
などが挙げられ、
約700種以上ある口内の常在菌を、歯周病の原因と関連の深い順にピラミッドとして模式図化して表したものを
「歯周病ピラミッド」といいます。
レッドコンプレックスはその頂点に位置する菌種群で、
その下層にオレンジコンプレックス、
最下層にブルー、パープル、グリーン、イエローコンプレックスの常在菌群が配置されています。
中でもレッドコンプレックス菌種群のひとつであるP.g.菌は、歯周病菌の代表格です。
細菌の付着力が強いためバイオフィルムを形成しやすく、
内毒素により歯の骨を溶かすほか、
口腔内に悪臭(口臭)をもたらします。
ブルー、イエロー、グリーン、パープルコンプレックスは、幼少期よりお口の中に存在します。
健康な歯肉周囲にも見られるグループで
歯ぐきと調和している菌群と考えられています。
思春期になると、オレンジコンプレックスが現れ始めます。
オレンジコンプレックスは、歯周ポケットの中に存在しますが、
レッドコンプレックスよりも種類が多く、
レッドコンプレックスよりも先に出現します。
つまり、
歯周炎になる時に検出される細菌はピラミッドを作る時のように考えることができます
歯肉の溝にはブルー、イエロー、グリーン、パープルといった歯周病菌群が存在し、これがピラミッドの土台になります
歯肉炎がおきて環境が変わっていき、
さらに歯周ポケットができるとオレンジコンプレックスが、
そして成人を迎える頃になると、レッドコンプレックスが検出されるようになります。
お口の中の歯周病菌の集落(集団)は通常、年齢と共に形成され、20歳頃にほぼ完成します。
歯周病はある程度進行してしまうと、元通りに治療することは難しくなってしまうことも多く「予防」や「早期治療」が重要と言えます。
20歳を過ぎたらまずは、歯周病の検査を受けてみることをオススメ致します。
歯周病治療について、お悩みの方も是非一度ご相談下さい。