こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。
検診やメインテナンスで歯科を受診される患者さんは昔に比べ増加傾向にあり、
ここ数年で考えても日本人の健康に対する関心や意識はより高まっているように感じます。
今回は、そんな健康に関する話題で、喫煙についてのお話です。
タバコの喫煙が様々な健康被害をもたらすことは、もはや周知の事実です。
“禁煙の勧め”については、
以前より国をあげて取り組まれてきた禁煙啓蒙キャンペーンが広く知れ渡るようになりましたし、
ニコチンガムやニコチンパッチを薬局で購入したり、禁煙外来を受診してお医者さんから薬を処方してもらい禁煙を続けるという治療法も認知されるようになってきました。
喫煙率の事情を厚生労働省から今年10月に発表された“国民健康・栄養調査”によると、
2019年において
成人男性の喫煙率は27.1%、
成人女性の喫煙率は7.6%
(男女総数16.7%)
となっていて、男性よりも女性の方が喫煙率はかなり低めとなっています。
また、2013年における同調査では、
男性46.8%、
女性11.3%
(男女総数27.7%)
となっており、6年間で喫煙率は総数で11%、男性のみに限れば20%近く減少しています。
このように、
健康意識の高まりから、たばこの喫煙率は減少傾向にありますが、
今なお多くの人にはたばこは重要な嗜好品であることに間違いなく、喫煙者は依然として多くいらっしゃいます。
当クリニックの問診票を含め、多くの歯科医院の問診票には喫煙の有無に関する質問事項があることが殆んどなのですが、
これは、
「喫煙者は歯周病にかかりやすく治りも悪い」という事実があるからです。
タバコの煙には
3大有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素)をはじめとして、
4000種類以上の化学物質、
200種類以上の有害物質、
さらには70種類以上の発癌物質
が含まれています。
喫煙者は、
がん、心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息、歯周病などの病気になり易く、かつ進行が早いことが知られていて、
喫煙者は非喫煙者に比べ2~8倍で歯周病にかかり易くなると言われています。
歯周病の治療には禁煙を続けることは必要不可欠で、
健康に関して言えば、まさにタバコは“百害あって一利なし”なのです。
歯周病が喫煙と関連性が強いことは多くの研究により明らかになっていて、
喫煙は糖尿病と並んで歯周病の二大リスク因子となります。
喫煙による一酸化炭素やニコチンなどの影響により、
歯茎などの歯周組織における抵抗性や治癒に悪影響を及ぼし、
結果、喫煙者の場合、歯周炎が進行し易いばかりか、歯周病の治療への反応や歯周外科手術の経過が不良になることもはっきりしています。
禁煙することはお口の健康だけでなく全身の健康にとっても大きな意義があります。
歯周病だけでなく、大きな病気にかかるリスクを減らすことが出来ますし、
受動喫煙による周囲の人への被害を及ぼすこともなくなります。
タバコをやめればおいしく食事を楽しむことが出来ますし、
歯周病治療や予防は勿論、全身の健康のためにも喫煙者の方には禁煙に取り組んで頂き、それを持続することで健康的な生活を送って欲しいと切に願っております。